Q:コーヒー豆を焙煎してから飲むまでにエイジングは必要ですか?また、飲み頃はいつですか?
A:コーヒー豆にエイジングは、必要ありません。
コーヒーは、時間が経つと劣化するだけなので飲み頃は焙煎日からです。また、焙煎日から低温で温度管理しなかれば、脂肪分が酸敗して嫌なスッパ味が出ます。
「焙煎から時間が経つとなじむんですよね。」と聞かれることもありますが、コーヒー豆の焙煎には、塩もスパイスも使っていないので何もなじみません。なじませる副材料がそもそもありません。
漬物のように発酵もさせないし、肉のように空気に触れることで発色することもありません。香りと味はワインのように表現されますが、ワインのようにエイジングで熟成することはありません。
焙煎から時間の経つと香りと味の良いものも悪いものも弱くなります。コーヒー豆を置いておくことで良い味が残って悪い味だけが減ることはありません。焙煎後の時間経過はコーヒーにとってマイナスでしかありません。
では、悪い香りと味はどこで形成されるのでしょうか?
原因は2つ考えられます。ひとつは、原材料の生豆が悪い味を持っていた。もうひとつは、ローストの失敗で悪い味を形成してしまった。このどちらかです。おいしいコーヒーは、良い原材料を使うというのが基本なので、今回は前者は考えません。後者は、ローストで生焼けになったか、焦げたということです。
これまでの経験からですが、ローストを失敗したコーヒーは、翌日か翌々日になるとその失敗で出来た悪い匂いと味がかなり弱まり、焙煎直後より良くなった感じがします。
だからでしょうか。エイジングすることでコーヒーの香りと味が良くなる説があります。
ローストする側として、悪い香りと味を避けられるものと考えるのか、しょうがないものとしてしまうのか、その考え方の違いなのではないでしょうか。